英語圏の国には行政書士と同様の資格がないので、一言で説明できる英単語がありません。海外でも同様の資格がある弁護士なら英語で一般的にはlawyer、米国ではattorney、英国では事務弁護士はsolicitor, 法廷弁護士はbarrister と多くの単語があります。
では、行政書士は英語で何といえばいいのだろう?
国際業務を専門とする行政書士は、弁護士資格がなくてもimmigration lawyer, visa lawyer, adminisrative lawyerと自称する人が多いです。専門分野は伝わるけれど、誤解を与えるおそれがあり正確ではないので、名刺を作る時には悩んで日米の弁護士に相談しました。その結果、lawyerを使わずに専門分野がわかるように、名刺では、”Certified Visa Specialist”と記載することにしました。名刺の英語面では、海外の人に正確かつ簡潔に何ができるのかを伝えることを最優先したためです。Certifiedは資格がある、という意味なので、ビザ専門家で有資格者だと伝わるように気持ちを込めました。他に使っている行政書士にまだ会ったことがないですが、わかりやすくて気に入っています。
ただし、外国文認証のご依頼をいただくと、公証役場の認証でVisaというのは内容に合わないので、認証時には役職名をGyoseishohsi, Translatorとしています。このように、実務上は、相手や状況に応じて、柔軟に使い分けています。しかし先日、正確な英語で記載する必要のある書類があったので、改めて、行政書士の正式な英訳を調べてみました。
まずGoogle翻訳等で、「行政書士」と入力すると、”Administrative Scrivener”と英訳されます。実際に海外の会社等とやり取りをする場合には、よく使う英訳です。司法書士の正式英語表記がJudicial Scrivenerなので、響きの似ている司法書士と区別するため、一般的に使われるようになったのではないかと考えました。
正式には、”Certified Administrative Procedures Legal Specialist” が行政書士の英語訳です。
根拠としては、法務省の「日本法令外国語訳データベースシステム」の行政書士法を参照しました。行政書士法は、英語で”Certified Administrative Procedures Legal Specialist Act”と訳されています。他には日本行政書士会連合会のホームページでも、現在は法務省の対訳と同じ英語表記で記載が統一されています。前後のCertifiedとSpecialistは同じなので、名刺は引き続き”Certified Visa Specialist”がいいかな?!と、正式名称を調べて再確認することができました。